代替エネルギー学習室

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燃料動力<水素系エネルギー>

① 1.
太陽光活用も大事。風力も。波力も。私が一押しの潮流発電も必要。
おまけに常温核融合発電も実現すれば素晴らしいと思います。

ただ 総合的に見てコストが掛かりすぎるもの、効率が悪いもの、
風土に合わないもの、実現まで開発時間がかなりかかるもの、
潮流発電は期待してるのに現在の国の有り様見ると国家プロジェクトでやる知恵も決断もないでしょう。

それでも庶民が生き、産業生産を行い、国が再生発展するためには電力が、安全で確かな電力がいります。

そこで少し見て頂きたい動画があります。




次回に続く

2.
前回の動画はエタノールを使った発電を映していました。

単なるプロペラ微風機ではありませんよww
実は本当はすごい価値を提示しております。
まず、石油からガソリン等を精製し内燃機関で爆発燃焼させエンジンピストン運動を車輪への回転運動に変え車、バイク等が動かせていた何段階かの工程を省略してしまうことになります。
化学反応で電気を起こしているわけですから燃焼行程が省略されていますね。
それに、炭素燃焼系の副産物であるCO2はすごく抑えこめます。
エタノールが触媒により化学反応を引き起こし電気を起こした後生成されるのは、酢酸とか水だけであり無害に等しいものです。

1.の動画でご覧になった教育用実験機はダイレクトエタノール型燃料電池
 (DEFC)と呼ばれている燃料変換装置を使用します。
 それが少量のバイオ燃料と水を使って燃焼を伴わずに電気を作り出しま
 す。この技術が小型発電機に変わる無害・簡単・長時間使用可能の電力 を作り出します。

結果、話は少し飛びますが、、今では船を安定的に動かせるまで来ています。

原発や火力から徐々に分散型代替発電エネルギーとして責任を持ちうる可能性があります。


さて、またここで3.11直後に撮られた動画があります。
ご覧ください。15分ぐらいですが震災に遭われた研究者が
燃料電池とその応用の一部を講義して下さっています。


次回に続く (2012.2.3)

3. バイオエネルギー

a バイオエネルギー
バイオエネルギーは、バイオマスから生成の燃料。

【バイオマス】生きている有機体&有機体の代謝による副産物
【バイオ燃料】植物を主とした死後ごく短時間の死骸から生成した三態の燃料。つまり、『バイオマスからつくられた可燃性の燃料』
【化石燃料】 長期間経過した生物死骸からの生成物


{バイオ燃料とはアルコール、エステル、エーテルが一般的}

【バイオエタノール】糖化醗酵(植物材料を砂糖に変換する)工程を利用
【砂糖の原料】トウモロコシ 小麦 藁 柳 一般的樹木 おがくず
       草 アーティチョーク ミスカンザス(牧草)サトウキビ

 
4. エタノールって?

 エタノールはアルコール(一般的に)

【エタノールは直鎖アルコール】
 分子式 EtOH CH3CH2OH C2H5OHと多岐にわたります。
 実験式は、C2H6Oだそうです。
 
 糖をエタノールに変化させる醗酵は有機反応ですが、現在は製油時の
 副産物としてつくられています。  
 
 エチレンの水和反応で石油製品として作られたりしたそうです。
 また、繰り返しになりますが酵母による糖化反応によって有機的に
 作られたりします。
 最近ではもっと効率的で環境にも優しい方法でエタノールを得る事に
 力が入っています。

 エタノールには香料、香味料、着色料、そして医薬品などのソルベント として幅広い使い道。上記動画のキットに使われている技術はエタノー ルの燃焼を使わない新しい使い道を示しています。
 
 アルコール飲料に使われるエタノール、燃料として使われるエタノール も醗酵によって作り出されています。幾種重要なものに《サッカロイマ イセス・セレビシエ(出芽酵母)》の酵母は、無酸素の状態で糖を代謝 するとき、エタノールと二酸化炭素を生産。

 化学変化の反応式 C6H12O6→2CH3CH2OH+2CO2

5.セルロース等のエタノールを活用

 植物の木部(骨格の部分)はセルロースから形成され分解が非常に困難 な部分です。植物が太陽エネルギーを吸収しセルロースにほとんど貯蔵 されると言われています。この過程でなかである種の酵素がセルロース
 をサッカライドと呼ばれる単純な糖類に分解します。それからサッカラ イドは人が使用できるエネルギーへと形を変えます。

 セルロースは自然界に大量に存在し蓄えられているとも言えます。セル ロースから作られるアルコールは俗に言うクリーンであり、この生成過 程で使われるエネルギーも放出される温室効果ガスもとても少ない事が 知られています。私達がこの世界にある食用以外のセルロース計画的且 つ環境に配慮しアルコールに変化させれば、工業、商業で使える再生可 能でクリーンなバイオ燃料を作り出す事が可能となる日が目前で有りま す。

 セルロースからアルコールを作る主な原料は、食用にならない植物の茎 や幹、樹皮、繊維組織です。
 トウモロコシのような食物を使ったエタノールの生産は効率的ではなく
 食糧生産面積を狭め食品価格に影響を与えたり、倫理の面での影響も考 えられます。

 僅かな作付面積で育った植物から、もっとも効率よくエタノールを取り 出す方法の研究はかなり進んできております。
  例えば、成長が早くセルロースを多く含み限界地域で育つスイッチ草  と、エレファントグラス、バッファローグラスなど食糧生産に悪影響を 与えない植物の使用が研究されています。この場合 トウモロコシの使 用では燃料を必要なエネルギーの24%のエネルギー産出に対し、スイッ チ草を使用した場合は540%という高い比率でエネルギーを得る事ができ るそうです。

6.燃料電池で拓く世界

 燃料電池は燃料を電気に変換していきます。家電製品用の、液体燃料を 使った燃料電池は、まず、メタノールに注目しています。これはダイレ クトメタノール型燃料電池(DMFC)と呼ばれています。
 最近では、燃料としてメタノールではなくエタノールを使った燃料電池 の研究により、更にクリーンでより経済的な方法が出来てきました。腐 食性のリスクも少しあるDMFCからさらに発展する可能性が広がっていま す。
 エネルギーを得るためにバイオ燃料を燃焼するのでなくDEFCはエタノー ルをゆっくりと一般的な酢へと変換させることで電気を作り出します。

 エタノールは広く使われている燃料です。家電製品での研究応用が進め ば、より一層使いやすくなるでしょう。今のところメタノールのエネル ギー密度(6.1 kWh/kg)よりもエネルギー密度が高い(8.0 kWh/k)
 です。さらに、重要な点は、長時間連続使用可能な電池が水銀やカドミ ウムと言った物質を含むアルカリ電池に対するクリーンな代替品として も注目されて来ているという事です。

 上記にもありましたように、サトウキビに変わり多くの草等も応用され て来ています。

 P3160002.JPG

★家庭用電化製品からバイク 船へ広がる未来文明

 研究されてきたDMFCやDEFCは、独立電源供給ソースとして、コ ミュニケーション用装置から携帯電話、カメラ、モバイルパソコンのそ うちのなか、LED照明や玩具の電源、小型装置用電源の用途から、最 近では急速に発展の兆しも見えてきました。

 災害用緊急電源、スマートグリッド対応分散型家庭用電源、船、車、バ イクの電源としても充分対応できる事も証明されてきました。

 電動船による実証事例
 

 これからも、技術進歩により、さらに脱原発した後の代替エネルギーの 柱の一つと確立いたしますし、そうなるよう志あるもので今から支え育 てていきたいものです。

② 1.DEFC燃料電池の動作原理は?

ダイレクトエタノール型燃料電池(DEFC)では燃料電池の≪アノード側≫(水素極:-極)側でエタノールが科学的に反応して電気を発生します。そこで、エタノール溶液中でイオン化している水素陽子(+イオン)がDEFCの高分子隔膜へ浸透する一方、遊離した電子(-イオン)が外部回路に供給されます。

≪カソード側≫(酸素/空気極:+極)では、触媒作用によって(隔膜に浸透している)水素陽子(+イオン)が外部回路から電子(-イオン)を取り込みながら大気中の酸素と反応して、副成分として水が生成されます。

DEFCは陽子交換膜型(PEM)と言う燃料電池に分類されます。
エタノール燃料は純水素に改良されてからではなく、直接、燃料電池の高分子隔膜へ供給されます。

反応のメカニズムは下記のとうり

アノード(陽極:-極):
 
 (1)C2H5OH➔CH3CHO+2H⁺+2e⁻

 (2)C2H5OH+H2O➔CH3COOH+4H⁺+4e⁻

 (3)C2H5OH+3H2O➔2CO2+12H⁺+12e⁻

カソード(陰極:+極):

 4H + 4e +O2➔2H2O

H⁺は極間高分子隔膜を浸透通過して、e⁻は外部回路を経てそれぞれカソードへ
 
化学反応中に、エタノールの一部は完全に酸素と反応して二酸化炭素になります。[(3)C2H5OH+3H2O→2CO2+12H⁺+12e⁻ ]
一方で酸素との不完全な反応によって、エタノールの一部はアセトアルデヒドと酢酸になります。
(1)C2H5OH➔CH3CHO+2H⁺+2e⁻
(2)C2H5OH+H2O➔CH3COOH+4H⁺+4e⁻

P3160001.JPG


燃料電池についての補足

燃料電池には、様々な種類のモノがありますが、50Wクラスの小型ダイレクトメタノール型燃料電池でも家庭用の扇風機や、パソコンの電源として利用できます。大型のものなら、家庭用の家電なら、殆どのものが動きます。そして燃料電池は複数個接続する事により、より大出力の電気を発電する事ができます。水素船や電動バイクや電動自動車のような、乗りものや、ホテルやマンションといったものでも、たくさんの燃料電池を繋げる事で必要なエネルギーを発電する事ができます。
ダイレクトメタノール型燃料電池の説く特徴として、非常時に強いということです。例えば地震が起きたとして、停電になった時でも、家に発電機があれば、電気を作る事ができます。ダイレクトメタノール型燃料電池の燃料はメタノールです。メタノールはアルコールの一種で、保存が簡単にできます。家の倉庫やガソリンスタンドなどの町中に備蓄する事ができます。もう一つのメリットは、今後も燃料の入手が容易であるということです。天然ガスは日本ではあまり取ることができませんが、石油の場合と異なり、世界各国で採掘が可能です。そのためエネルギー源とすれば、今後も安定してエネルギーが確保できると考えられるのです。
ダイレクトメタノール型燃料電池には、様々な課題がありますが、その中に電気を取り出す化学反応を行うのに、高価な貴金属を使うというのがあります。歴史的に見れば、燃料電池に使用される貴金属の量は、10年単位でみれば確実に少なくなっています。現在の課題はこの貴金属の使用量をさらに10分の1、100分の1へと減少させることです。そしてやはり10年単位で考えれば、このような触媒の高性能化は実現可能であると考えられています。